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common ginza
3F[イベントスペース&カフェ]
屋外テラスのある開放的な空間で、新しいライフスタイルや価値観、情報の発信を行います。 RAMO FRUTAS CAFEでは美・健康をテーマに、フルーツを中心としたメニューを、PANORAMA GALLERYでは多彩なイベントをお楽しみいただけます。
営業時間:
10:00~21:00(LO20:00・ドリンクLO20:30)
電話:
03-5537-5506
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    沖縄食材をたっぷりと使ったメニューです!

    【期間限定!】SUMMER SPECIAL MENU スタートします!
    銀座四丁目で、フルーツで夏を感じて頂くため、
    RAMO FRUTAS CAFEでは素敵なメニューをご用意しました!


    【沖縄づくしタコライス】
    島豆腐を使ったタコライス、
    シークヮーサードレッシングを使ったゴーヤのサラダを合わせました。
    沖縄らしさを存分に楽しめる一品です!

    ¥2,080(ドリンク付/税抜価格)



    【沖縄産ゴールドバレルのパイナップルバスケット】
    メディアで話題の”ゴールドバレル”を中心に、トロピカルフルーツをたっぷりと召し上がれる真夏のスペシャルメニューです。

    ¥2,380(税抜価格)

    8月15日までの期間限定ですので皆様、ぜひお試しください!

    ~パイナップル&マンゴー&ドラゴンフルーツ~

    季節のフルーツが新しくなりました!
    旬のフルーツが新しくなりました!

    みずみずしいトロピカルなフルーツ、パイナップル&マンゴー&ドラゴンフルーツです!

    おいしさを活かしたスイーツをたくさんご用意しました!
    今しか食べられない旬の味を、ぜひお召し上がりください!




    南国フルーツパンケーキ ¥1,550
    マンゴーブーケパフェ ¥1.250
    マンゴーのパンプディング ¥980
    トロピカルチーズパイ ¥950
    FRUTAS大福マンゴー ¥1,000

    ※全てドリンク付/税抜価格
    • 古館さん

      古館さん

    • 佐々木さん

      佐々木さん

    2017年5月16日(火)19時〜21時開催
    「古舘伊知郎が佐々木宏と、銀座なう。
    」の抄録です。

    パノラマトーク02 “人間の営みのにおい”をさせつつ着飾る(後編)
    GINZA PLACEの「common ginza」を舞台に、さまざまなつくる人たちを招いて「トークイベント+α」を発信していく「パノラマトーク」。第2回は「銀座、なう。」というテーマで、日本随一の“しゃべり屋”古舘伊知郎さんと、人気CMから国際的スポーツイベントにおける日本のプレゼンテーションまで、文字どおり“日本をCMする”クリエーティブディレクター、佐々木宏さんによるトークが行われました。

    日時:2017年5月16日(火)19時〜
    場所:GINZA PLACE内「common ginza」


    古舘伊知郎(フリーアナウンサー)
    佐々木宏(クリエーティブディレクター)

    企画プロデュース:電通ライブ クリエーティブユニット 金原亜紀
    編集協力:松永光弘
    写真撮影:船本諒

    ■ど真ん中の言葉は、意外と強い

    古舘:ぼくもキャッチフレーズのようなものをつくって、実況に乗せることはあるのだけど、どうしてもギトギトの幕の内弁当のように詰め合わせてしまうんです。でも、佐々木さんがつくる広告なんかを見ていると、「そうだ 京都、行こう。」にしても言葉がシンプルじゃないですか。そういう研ぎ澄まし方をしようと思ったら、どんどん言葉を捨てていくんですか?

    佐々木:CMの世界では、捨てていったほうがいいとはよく言いますね。とはいえ、ぼく自身はコピーライターでもあるのだけど、あんまりコピーっぽいコピーが書けないほうなんです。サントリーの缶コーヒー「ボス」の広告でも、いざコピーを書くとなったら、やっぱり「ボス」という商品名が入っていたほうがいいとまず思ってしまう。で、短くしようとして、「ボス のむ。」とか書いてしまったりする。古いものだと、麻薬・覚醒剤乱用防止のポスターの「ダメ。ゼッタイ。」とかも、じつはぼくのコピーなのですが…、まあ、素人同然で、コピーライターの世界では、まったく尊敬されないコピーなんですけどね。

    ただ、鍵となるような短い言葉が一つあると、広告キャンペーンとしては長く続きやすいんですよ。「そうだ 京都、行こう。」もそうだし、最近だと、宇宙人ジョーンズの「このろくでもない、すばらしき世界。」もそうですけど。

    古舘:トミー・リー・ジョーンズさんが出ている広告ですね、あれは本当に素晴らしいですね。

    佐々木:言葉はぼくじゃなくて、福里真一くんというCMプランナーが考えてくれたのですが、CMはもう11年も続いています。さっきの「お正月を写そう」も、ふつうの言葉ですけど、そういうど真ん中の言葉って、コピーライターとしてはちょっと恥ずかしいから、みんな意外と書かないんです。でも、そこをちゃんと見つけて言えると本当は強いんですよ。

    古舘:なるほど。もうずいぶん前のものだし、佐々木さんのお仕事ではないけれど、「おせちもいいけどカレーもね!」も一世を風靡(ふうび)しましたね。ぼく個人で言うと、アサヒスーパードライも刺さりましたよ。「コクがあるのに、キレがある。」。


    ■もっと曖昧な部分を大切にしたほうがいい

    佐々木:あのスーパードライのコピーは、ちょっとずるいところがありますね。ドライというかぎりは辛口なのに、それでも飲みやすいと言っているわけで、いいとこ取りです。でも、そういう両方あっていいという感じは、いまの日本には、とくにすごく必要な気がします。

    古舘:「このろくでもない、すばらしき世界。」もそうですね。いまの世の中を見ていると、自分のなかにろくでもないものがあって、それが外部化されて、いろんな良くないことが起こっている。どこかの国のせいばかりにはしていられない、という気持ちもある。報道ステーションをやっているときは、ぼくもいつもそう思っていましたよ。でも、そんななかで、「このろくでもない、すばらしき世界。」と言われると、捨てたもんじゃないと思えます。その微妙さというか、いい意味で中途半端なところがとっても日本らしいと、ぼくなんかは思いますね。

    佐々木:国内の様子を見ていても、最近はちょっと失敗した人を完膚なきまでにたたきのめすような風潮が社会にありますよね。その一方で、SMAPの解散一つとっても、たくさんの人たちが自分のことのように惜しんだりしていて、みんな仲良くできたらいいのにという気持ちもある気がするんです。ぼくとしては、後者の気持ちがもう少しうまく出てきて、世の中からけんかがなくなってほしいし、平和になってほしいと思う。キーワードは、「peace」。そのためには、「どちらでもない」という、もっと曖昧な部分を大切にしたほうがいいんじゃないかと思うんですよ。

    古舘:と言いますと?

    佐々木:例えば、新聞で世論調査をすると、だいたい「賛成」が何パーセントで、「反対」が何パーセント、「どちらでもない」が何パーセントみたいな発表をするじゃないですか。それをもとに報道番組なんかでも「結構、拮抗してますね」「反対が優勢です」なんて言って、どっちなんだ、みたいなことを問いかけたりする。でも、本当は、どっちかが正解ということじゃなくて、曖昧な部分に正解があったりするんじゃないかと思うんです。

    ときどき、何パーセントが態度を決めていない、みたいな言い方をされることもあるし、そうなると、賛成か、反対かをはっきりしていない人は頭が悪いんじゃないか、みたいな空気になったりもするのだけど、そもそも、ぼくだったら調査の対象になっても自分の意見を言わないと思う。そういうことまで考えると、白黒はっきりさせることが、必ずしも正解とは言えないんじゃないか。むしろ、そこで「こうじゃなきゃいけない」と決めつけることが、けんかとか、対立とかを生む原因の一つになっている気がするんです。

    古舘:そこはいちばん大切なところですよね。そういう話を聞いていると、自分が身を置いているマスコミの功罪の「罪」の深さをすごく感じます。どうしても、二者択一のほうが分かりやすいんですよ。善か悪かの二元論のほうが分かりやすい。でも、日本はそもそもが神仏習合で来た国ですからね。佐々木さんのおっしゃるとおり、基本的に二項対立的な考え方は合っていないとぼくも思います。悪く言えば、曖昧模糊ですが、よくいえば融通無碍(むげ)で、何とも言えない中庸の精神があるはずですから。


    ■「並木通り」はなぜ一流なのか

    古舘:もっとも、神仏習合と言っても、信仰という意味では、いまの日本人がどのくらい仏教を信じていて、どのくらい神道を信じているのかは分からないですよ。だって、表参道を通るとぼくはいつも思うのだけど、日本人って年に1回、大みそかの夜から三が日にかけて、うわっと大挙して明治神宮に詣でるじゃないですか。年に1回だけですよ、お社に向かって詣でるのは。それ以外は一年中、表参道という道のほうに詣でてますよ、みんな。ブランドショップのほうに(笑)。

    佐々木:特に表参道は再開発が進んで、いろんな施設やお店が次々とできていますからね。

    古舘:再開発と言えば、銀座もこのところ、すごいことになってきていますよね。ここのGINZA PLACEはもちろん、すぐそこにはGINZA SIXがオープンしたばかりだし、数寄屋橋のところには東急プラザ銀座もできましたし。

    佐々木:2020年のこともあって、至るところで再開発が進んでいますよね。でも、それがちょっと気になっているんです。ぼくのいちばんの興味は渋谷なのですが、どうやら渋谷駅の辺りに4つくらい大きなビルが建つらしいんです。もう工事が始まっていますけど、何年か前に初めてそれを聞いたとき、ちょっと嫌な感じがしたんですよ。というのも、汐留もそうだし、新宿副都心もそうだけど、再開発されてビル街になった街は、いわゆるビル風もすごいし、確かに現代的で整然としているのかもしれないけれど、歩いていても、あまり街という感じがしませんよね。

    古舘:再開発された街というのは、なんかプラモデルの街に迷い込んでいるみたいなところがありますよね。『報道ステーション』をやっていたときも、毎日、テレビ朝日の4階から六本木ヒルズのけやき坂通りを見ていたのだけど、あそこは雨が降っているかどうかが分からないんです。古い町並みだと、雨が降っている質感のようなものがあるじゃないですか。でも、きれいに整備されたところだと、それが分からない。

    佐々木:そうなんですよ。ぼくは渋谷がそうなってほしくないなと思ったんです。いまの渋谷には、いろんな職業の人がいるし、あちこちで若者がたむろしていたりもして、いい意味でわい雑さがありますよね。でも、ビル街になると、どうしてもオフィスワーカーが多くなるし、スクランブル交差点が日陰になったりして、せっかくのいいところが失われる気がするんです。

    だから再開発するにしても、汐留や新宿副都心のようにするのではなく、ニューヨークのタイムズスクエアみたいに広告がいっぱいあって、経済情報なんかもどんどん入ってきて、いろんなものが渦巻いているような街にしてほしい。または、廃止した高架鉄道のをレールを残したまま散歩道にしたニューヨークの「ハイライン」(※注)のような、新旧ハイブリッドの開発にする、とか。

    ※ハイライン…ニューヨーク市のマンハッタンにある全長2.3キロメートルにわたる線形公園。廃止されたニューヨーク・セントラル鉄道ウエストサイド線の高架の一部を、レールなどを残しつつ、モダンな散策路としてリノベーションした。


    古舘:いや、それは渋谷だけの話じゃありませんね。さっきもお話に出ましたが、銀座だって再開発が進んでいるし、丸の内だってどんどん変わっている。いまや東京全体が変わろうとしていますから。

    佐々木:総合プロデューサーみたいな人がいないんですよ。ビル1棟をどうするかは考えるんだけど、この街をどうするかということはあまり考えられていない。せっかく2020年に大きなイベントがあるわけだから、いろいろと知恵を出し合って、本当にみんなが幸せになるような方向に進めていったほうがいいと思うんですけどね。

    古舘:なかでも大切なのが、街のわい雑さとか、香りのようなものをちゃんと残すことだと。

    佐々木:そう思いますね。渋谷なら絶対にスクランブル交差点はあってほしいし、ハチ公もいてほしい。雑居ビルもあって、いろんなものが入り交じっているからにぎやかになるんです。大きなビルが建つだけじゃ、入るのはチェーン店ばかりで、面白いお店もできなくなるし。ぼくは広告の人間ですから、やっぱり広告のスペースもたくさんあってほしい。

    古舘:そのあたりのこととも関係があると思うのですが、この間ある人から、銀座の並木通りが、なぜずっと廃れずに一流の場所として残っているかという話を聞いたんです。あそこって資生堂の本社があるし、一流ブランドの店が軒を連ねているし、いわゆるポルシェビルとか、ウルワシビルとか、名所のようになっている建物もたくさんあるじゃないですか。確かにきらびやかなんですよ。不夜城のごとく、夜も眠りませんから。でも、それだけじゃないんです。あそこはね、かすかにドブのにおいがするそうなんですよ。歴史も長いし、古くなってきているビルも多いから、上下水道も年季が入ってきていて替えどきのものもあって、そこからちょっとだけ下水が漏れていたりする。人間の営みのにおいをさせつつ、着飾った街なんです。アラフォーの美しい女性が笑ったときの目尻の小じわ、みたいな(笑)。そこに色気が宿るわけじゃないですか、よく言うように。豆腐ようの話(前編リンク)じゃないのだけど、朽ちるか、朽ちないかというせめぎ合いのところがいちばんいい。街もそうですよね。

    佐々木:いや、本当にそうだと思いますよ。ニューヨークにしても、道路からたくさん湯気が出ていたりして、人間が動いている感じがするからいいんです。見過ごされがちなところだけど、そこは忘れずに大切にしていきたいですね。

    ※ハイライン…ニューヨーク市のマンハッタンにある全長2.3キロメートルにわたる線形公園。廃止されたニューヨーク・セントラル鉄道ウエストサイド線の高架の一部を、レールなどを残しつつ、モダンな散策路としてリノベーションした。

    (了)


    【登壇者プロフィール】

    古舘伊知郎(フリーアナウンサー)
    1954年生まれ。立教大学卒業後、1977年にテレビ朝日にアナウンサーとして入社。『ワールドプロレスリング』などの番組の実況を担当し、その鋭敏な語彙センス、ボルテージの高さで独特の「古舘節」を確立。小学生から大人に至るまで、プロレスファンの枠を超えて絶大なる支持を集めた。1984年6月にテレビ朝日を退社。F1、バラエティ、音楽番組などの司会、テレビ朝日『報道ステーション』のキャスターなどを務めたほか、現在は、NHK『人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!』やテレビ東京『おしゃべりオジサンと怒れる女』、フジテレビ『フルタチさん』などの番組で活躍している。

    佐々木宏(クリエーティブディレクター)
    1954年生まれ。慶應義塾大学卒業。1977年、電通入社。新聞雑誌局を経てクリエーティブ局に転局。コピーライター、クリエーティブディレクター、クリエーティブ局長職などを経て、2003年7月に独立。同年、シンガタを設立。企業や商品のブランディングをはじめ、数多くの広告作品を手掛けている。2016年には、リオデジャネイロオリンピックおよびパラリンピックの閉会式で東京大会のプレゼンテーションをおこなう「フラッグハンドオーバーセレモニー」のプロデュースを担当した。主な仕事には、「ブラッド・ピット&キャメロン・ディアス」「白戸家シリーズ」などソフトバンクの全キャンペーンを13年、サントリー「ボス」を25年。「モルツ球団」「リザーブ友の会」「3.11歌のリレー」、トヨタ自動車「TOYOTA ReBORN」「ドラえもん」「ピンクのクラウン」「ECO-PROJECT」、JR東海「そうだ 京都、行こう。」、ANA「ニューヨークへ、行こう。」「LIVE/中国/ANA」、富士フイルム「樹木希林お店シリーズ」「お正月を写そう」、資生堂「UNO FOGBAR ビートルズロンドン編」、KDDI「合併」「auブランド」、三井不動産「芝浦アイランド」など。ADCグランプリ3回、TCCグランプリ、ACCグランプリ、クリエーター・オブ・ザ・イヤー賞ほか受賞多数。

    2017年5月16日(火)19時〜21時開催
    「古舘伊知郎が佐々木宏と、銀座なう。
    」の抄録です。

    パノラマトーク02 “人間の営みのにおい”をさせつつ着飾る(前編)
    GINZA PLACEの「common ginza」を舞台に、さまざまなつくる人たちを招いて「トークイベント+α」を発信していく「パノラマトーク」。第2回は「銀座、なう。」というテーマで、日本随一の“しゃべり屋”古舘伊知郎さんと、人気CMから国際的スポーツイベントにおける日本のプレゼンテーションまで、文字どおり“日本をCMする”クリエーティブディレクター、佐々木宏さんによるトークが行われました。

    日時:2017年5月16日(火)19時〜
    場所:GINZA PLACE内「common ginza」

    古舘伊知郎(フリーアナウンサー)
    佐々木宏(クリエーティブディレクター)

    企画プロデュース:電通ライブ クリエーティブユニット 金原亜紀
    編集協力:松永光弘
    写真撮影:船本諒

    ■年寄りがシャシャリ出てもいい時代

    佐々木:初めて古舘さんと会ったのは、25歳のときだったから、もう40年くらい前のことですね。共通の友人の吉澤一彦くん(元テレビ朝日アナウンサー、現在はフリー)の引き合わせで3人で飲んで、ずいぶんと熱く語り合った覚えがあります。よくある話で、それきり何十年も連絡も取り合わず(笑)、そうこうするうちに古舘さんはすごい人になってしまって…。

    古舘:いやいや、全然大したことはないですよ。でも、『報道ステーション』を12年やって、終わったなと思っているところに、佐々木さんから担当しておられるソフトバンクのCMに出ないかと声を掛けてもらいましたよね。あれはうれしかったですね。

    佐々木:お願いするなら、いまだなと思って(笑)。とはいえ、もう60歳を過ぎていらっしゃるわけで、ふつうなら静かに余生を、みたいなことを考えてもいい年だと思うんです。ところが、古舘さんは『報道ステーション』をやめた後もテレビのレギュラーを次々と勝ち取って、とんでもない勢いで活躍されている。そういう姿を見ているのは、同い年としてはすごくうれしいんですけど、実際のところ、これからまた別の報道番組をやろうとか、『NHK紅白歌合戦』の司会をもう1回やろうとか、スポーツ実況をやろうとか、何か考えていることはあるのですか?

    古舘:お恥ずかしい話ですけど、いま挙げていただいたことは全部やりたいんです。自分の欲の深さにあきれ返りますけど…。たまに道行く人に声を掛けられて、「最近の『NHK紅白歌合戦』は、若い人が中心だけど、古舘さんのプロっぽい司会もまた聞いてみたい」なんて言われただけで歩けなくなるんですよ、感動して(笑)。もう1回やりたいと気持ちがうずくんです。スポーツ実況だって、40年くらいやっているわけだから、「2020年、東京オリンピック、日本選手団。56年ぶりにあのときと同じコスチュームで入場してまいりました。この56年間で、果たして世界は平和になったのか」とか、放送コードをギリギリ守りつつ(笑)、やってみたい。報道番組だって、月曜から金曜まで毎日というのは大変かもしれないけれど、週1くらいで1週間を総ざらえするくらいならできるんじゃないか…とか。そういうオファーを常に心待ちにしているようなところはありますね。

    佐々木:もともと古舘さんって、番組を面白くする人なんだと思うんですよ。プロレスにしても、F1にしても、そのままだと興味のない人には全然面白くない。でも、古舘さんが実況すると、途端に面白くなる。それは裏側にあるものを浮き彫りにできるところにあると思うんです。

    古舘:ぼくね、そこは笑うべきじゃないってところにいたずらを仕掛けるのが好きなんですよ。F1だったら、確かに好きじゃない人は「グルグルまわっているだけだ」なんて言うじゃないですか。そういう人に向かって「グルグルまわっております。5周目、7周目、いつもより余計にまわっております」とか言ってみたくなる。そうすると、一部にはウケて、一部にはひんしゅくを買うことになるのだけど、そのはざまが好きなんです。それをあちこちでやってみたいというところが、ちょっと欲深いのですが。

    佐々木:あれもやりたい、これもやりたいという意味では、ぼくも同じようなことは思っていますよ。『NHK紅白歌合戦』もつくってみたいし、アカデミー賞とか、あとオリンピックだって、なんらか関わってみたい。ただ、いまはそれを口に出すとひんしゅくを買う時代じゃないですか。そう思って封印しているようなところがありますが…。

    古舘:そこは本当に難しいところですし、言っていることが矛盾するようでもあるのだけれど、ぼくら60歳を過ぎたジジイが、積極果敢に出ていってもいいような時代になりつつはありますよね。世の中全体が『やすらぎの郷』(※注)みたいなことになってきているというか(笑)。高齢化がさらに進んで、2030年には日本の人口の40パーセントが年寄りになるそうじゃないですか。それがいいとか、悪いとかは議論の余地があるにしても、年寄りがシャシャリ出ても許されやすい社会になってきているとは思うんです。

    佐々木:昔なら60歳は死んでもおかしくない年だけれど、いまは健康な人も多いし、見た目も若々しいですからね。ぼくの電通の頃の同期なんかは、もう引退している人も多いのですが、みんな元気だし、何か線の引き方が間違っているんじゃないかと思うこともありますよ。

    ※『やすらぎの郷』…テレビの世界で活躍した人物だけが入居できる老人ホームを舞台にしたドラマ。倉本聰が脚本を手掛け、石坂浩二、浅丘ルリ子、有馬稲子、藤竜也ら、昭和を代表する俳優が共演。テレビ朝日系列で2017年4月から放送されている。


    ■腐るのではなく、「発酵」を目指そう

    佐々木:仕事でお付き合いのあったところでも、加山雄三さんは80歳を迎えられましたし、桑田佳祐さんも61歳で還暦を迎えられている。でも、お二人とも元気そのものですよ。で、かつて伊勢丹の広告にあったコピーを思い出したんです。「四十才は二度目のハタチ。」。眞木準さんというコピーライターが書いたものなんですけど、いいコピーでしょう? これをアレンジしたら、桑田さんは「三度目のハタチ」。加山さんは「四度目のハタチ」と言えるなと思って。

    古舘:面白い発想ですね。それでぼくも思い出したのだけど、沖縄では長寿を祝うときに、豆腐ようの原型といわれるイタミ六十(るくじゅう)という短期発酵させた豆腐を二つ重ねて食べるそうなんです。60を二つ重ねるから120歳を意味しているのですが、「ひゃくにじゅっさい」とは言わない。「“ひゃくハタチ”まで長生きしよう」と言うらしくて。

    佐々木:ちょっと似てますね。

    古舘:でしょう? でね、この間、番組で勉強したのですが、沖縄の豆腐ようがまた面白いんですよ。豆腐ようは、ご存じのとおり、沖縄の島豆腐を発酵、熟成させた食べ物で、発酵だから腐っていると思われがちなのだけどそうじゃない。簡単に言えば、麹と泡盛で豆腐を熟成させていくのですが、そこで何が起こっているかというと、麹はとにかく腐らせようとアクセルを踏む。それに対して、泡盛が腐るなとブレーキを掛けている。その両方がギリギリのところで押し合っている、腐るか、腐らないかという状態が発酵なんだそうです。これ、人間も同じだと思うんですよ。われわれも腐るんじゃなくて発酵を目指したほうがいい(笑)。

    佐々木:発酵の仕方もいろいろありそうですね。さっき、25歳のときに意気投合したと話しましたけど、その後の人生もぼくと古舘さんじゃ、全然違っている。古舘さんは、博学で、検索すれば何でも出てくる“一人iPhone状態”じゃないですか。しかもそれを、ものすごく面白く話せる。でも、ぼくは「確か、ほら…」みたいにしか話せなくて、知識を蓄えるのも得意じゃない。そのぶん人の話を聞いて、「こういうの、どうですか?」と思いつきをやや口から出まかせで(笑)、かたちにするような仕事をしているわけで。

    古舘:いきなりピンクのクラウンを広告に登場させたりね。

    佐々木:あのときは、ピンク色にすることで、前田敦子さんのような若い女の子も乗ってくれるようなものになったらいいなと思ったのですが、あれも自分と同い年のクルマがこの先どうなっていくといいのかなと思いをめぐらせていたときに、口をついて出た思いつきですよ。

    古舘:そのほうがよっぽどかっこいいじゃないですか。古舘さんはいろいろ知っているけど、しゃべるしかない。でも、ぼくはそういうものがないから、こんな素敵な発想ができるって。ぼくをダシにしてますよね(笑)。JR東海の「そうだ 京都、行こう。」も佐々木さんでしょう? 樹木希林さんが出ておられるフジカラーの「お正月を写そう」もそうですよね。本当に素晴らしい仕事をたくさんしていらっしゃる。

    佐々木:「お正月を写そう」は途中から引き継いだのですが…、希林さんには、いったん死んでいただいて、ハイブリッドの樹になって蘇るという役でトヨタの「TOYOTOWN」シリーズにも出ていただいてますし、かなりお世話になっていますね。


    ■何げない言葉が人の胸を打つ

    古舘:ぼくもこの間、ある仕事で樹木希林さんと2時間くらいじっくりとお話しさせていただいたのですが、あの人は本当にすごいですね。言うことなすこと、面白いし。以前、たまたまラジオを聞いていたら、伊集院光さんがパーソナリティを務めている番組に希林さんがゲストで出ておられたんです。そこでの話もいろいろ面白かったのだけど、帰り際に「番組のスポンサーから、コーヒーの詰め合わせをお土産に差し上げます」と言われて、「いらないわ。だって、インスタントコーヒー、飲まないもの」と断って終わり、ですよ。贈答文化の完全否定(笑)。絶対に妥協しない。

    だから、ぼくがインタビューしたときは、収録が終わった後にまずこう言ったんです。「希林さん、あまり贈答文化を否定しないでください。日本人って、それでうまくいくようなところがあるじゃないですか」って。そう前置きしてから、買ってきた焼酎をお渡ししました。焼酎はお好きだと知ってたのだけど、でもやっぱりいらないと言われるかなと思ったら、「芋? 麦?」とおっしゃって(笑)。ドキドキしながら「芋」と答えたら、「じゃあ、もらっていくわ。私、麦は嫌いなのよ」と言って、奪うように持って帰られましたよ(笑)。素晴らしいちゃめっ気と面白さです。

    佐々木:本当に魅力的で、かっこいい人ですよね。あれだけの大女優なのに、マネジャーもいないし、全部一人でされていて。

    古舘:そうなんですよ。一人で電車でいらっしゃるし、洋服だって5着しかないっていうじゃないですか。それを自分で繕ったりしながら着まわしていらっしゃる。おっしゃるとおり、かっこいいですよね。

    でね、ギャラの交渉も自分でされるというから、実際のところ、どうしているんですか? と聞いてみたんです。そうしたら、ご本人いわく、相手から話をひととおり聞いた後で、「それで、いかほどいただけるの?」とたずねるそうなんですよ。で、その金額が安いと思ったら、「安い」というのはカドが立つから、ひと呼吸置いて「かったるいわね」と言う。この日本語の豊穣さ(笑)。そう言われると、言われたほうもそんなに悪い気になりませんよ。そしてその後に、二の矢で「だったらね、あの人、紹介するわ」と、他の人を紹介するんですって。そうやって映画界はうまくまわっているわけです(笑)。

    佐々木:希林さんは、ご自宅の留守番電話も有名ですよね。キャリアも長いから、昔出た映画とか、CMとかの肖像権に関する問い合わせが結構多いそうなんですが、それにいちいち答えるのもそれこそ「かったるい」と思っておられるのか、留守番電話のメッセージの最後に、「どんどん使ってください」というような一言が入っているそうなんです。そういうところがまたいいんですよ。

    古舘:何げない言葉が人の胸を打つんですよね。

    佐々木:希林さんは、言葉を持っている人ですね。さっきおっしゃったフジカラーのCMに、「美しい人はより美しく、そうでない方は…それなりに写ります。」という名文句があるじゃないですか。あのCMは川崎徹さんという天才的な人がつくったものですが、「それなりに」の部分は、実は希林さんのアドリブなんです。

    古舘:「かったるいわね」に通じるものがありますね(笑)。


    【登壇者プロフィール】

    古舘伊知郎(フリーアナウンサー)
    1954年生まれ。立教大学卒業後、1977年にテレビ朝日にアナウンサーとして入社。『ワールドプロレスリング』などの番組の実況を担当し、その鋭敏な語彙センス、ボルテージの高さで独特の「古舘節」を確立。小学生から大人に至るまで、プロレスファンの枠を超えて絶大なる支持を集めた。1984年6月にテレビ朝日を退社。F1、バラエティ、音楽番組などの司会、テレビ朝日『報道ステーション』のキャスターなどを務めたほか、現在は、NHK『人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!』やテレビ東京『おしゃべりオジサンと怒れる女』、フジテレビ『フルタチさん』などの番組で活躍している。

    佐々木宏(クリエーティブディレクター)
    1954年生まれ。慶應義塾大学卒業。1977年、電通入社。新聞雑誌局を経てクリエーティブ局に転局。コピーライター、クリエーティブディレクター、クリエーティブ局長職などを経て、2003年7月に独立。同年、シンガタを設立。企業や商品のブランディングをはじめ、数多くの広告作品を手掛けている。2016年には、リオデジャネイロオリンピックおよびパラリンピックの閉会式で東京大会のプレゼンテーションをおこなう「フラッグハンドオーバーセレモニー」のプロデュースを担当した。主な仕事には、「ブラッド・ピット&キャメロン・ディアス」「白戸家シリーズ」などソフトバンクの全キャンペーンを13年、サントリー「ボス」を25年。「モルツ球団」「リザーブ友の会」「3.11歌のリレー」、トヨタ自動車「TOYOTA ReBORN」「ドラえもん」「ピンクのクラウン」「ECO-PROJECT」、JR東海「そうだ 京都、行こう。」、ANA「ニューヨークへ、行こう。」「LIVE/中国/ANA」、富士フイルム「樹木希林お店シリーズ」「お正月を写そう」、資生堂「UNO FOGBAR ビートルズロンドン編」、KDDI「合併」「auブランド」、三井不動産「芝浦アイランド」など。ADCグランプリ3回、TCCグランプリ、ACCグランプリ、クリエーター・オブ・ザ・イヤー賞ほか受賞多数。

    8月開催分は満席となりました

    【8月分満員御礼】フルーツビュッフェ8月分のご案内
    【7/1更新】8月分のご予約枠は全て満席になりました。

    8月分開催は、
    8月8日(火曜日)/8月24日(木曜日)となります!

    完全予約制のご案内とさせて頂きます。

    ご予約可能なお時間は
    ①10:00~ ②12:00~ の1日2回開催となります。(1回90分制)

    ご予約お待ちしております!

    (9月開催分は8月1日にお知らせ致します)


    老舗フルーツショップ「フタバフルーツ」監修による
    この時期に一番おいしいフルーツをはじめ、
    果物を余すことなく搾りきり、本来もつ味や栄養素をそのままジュースにする、
    ヒューロム社のスロージューサーを使ったフルーツジュースやスイーツ、
    DIYサラダバー、お食事などをお楽しみ頂けます。


    【料金】
    大人¥3,000/学生¥2,500(要学生証)/小人(3~12歳)¥1,000
    ※価格は税込

    ご予約は店頭受付もしくは、お電話にて受け付けております。
    詳しくはお店までお問い合わせください。
    TEL:03-5537-5506
    • 篠山さん

      篠山さん

    • 後藤さん

      後藤さん

    テーマは「篠山紀信の『写真力!』」

    7/28(金)パノラマトーク05開催
    「銀座から世界へ、つくる人と共につくろう!」がメインテーマのトークショー、パノラマトーク。

    今回は、長きにわたり写真界の第一線で走り続けてきた写真家の篠山紀信さんをフィーチャーします。

    篠山さんは、その芸術性、テーマの明快さ&過激さ、新しい技術への反応の速さ、全てにおいて常に「いま=現在」を深く写してきた人です。編集者として共に仕事する後藤繁雄さんを聞き役に、自らの写真人生を語ります。

    ※当日は、篠山さん特別編集の作品スライドを上映致します。

    2017年4月6日(木)19時〜21時
    「未来の劇場」をテーマにしたトークショーの抄録です

    パノラマトーク01 「脳内に立体が浮かぶ」新しい劇場体験とは(後編)
    GINZA PLACEの「common ginza」(リンク)を舞台に、さまざまなつくる人たちを招いて「トークイベント+α」を発信していく「パノラマトーク」。記念すべき第1回は、「未来の劇場」をテーマに、海外でも高い評価を得ているボーカロイドオペラ『THE END』の制作者である渋谷慶一郎さん、YKBXさん、evalaさん、それにメディアアートキュレーターの阿部一直さんをお迎えしてのトーク&『THE END』の特別上映が行われました。

    日時:2017年4月6日(木)19時〜
    場所:GINZA PLACE内「common ginza」(リンク)

    渋谷慶一郎(音楽家)
    YKBX(映像作家ディレクター・アートディレクター・アーティスト)
    evala(サウンドアーティスト)
    阿部一直(メディアアートキュレーター)
    モデレーター:小川滋(株式会社電通)

    企画プロデュース:金原亜紀
    編集協力:松永光弘写真撮影:船本諒

    ■死は非常にパーソナルなもの

    小川:もう一つ、渋谷さんやevalaさん、YKBXさんたちと一緒に海外公演をまわらせてもらうようになって感じたのは、海外のほうがお客さんの層が広いということ。ふつうにクラシックオペラを見るような人もいれば、アート系の人もいる。現代音楽が好きな人もいる。『THE END』の海外公演には、そういういろんな嗜好性を持ったお客さんが一つの空間で、根本的に新しい体験を楽しんでいるという印象があります。すごく積極的に受け入れられているし、作品自体に興味も持たれている。メディアの食いつき方もすごいですよね。

    渋谷:たぶん、評判が先に伝わっているのだとは思いますが、でも、回を追うごとに反応が深くなっている感じはありますね。いちばん最初にシャトレ座でやったときは、記者会見なんかでも、「なんで初音ミクでやるんですか?」などと聞かれたし、ぼくもそのときはキレキレだったので(笑)、「その質問は日本でも100回くらい聞かれて飽きている。せっかくパリに来たんだから、もっといいことを聞いてくれ」などと切り返したりもしたけれど、そういうありふれた質問は確に減ってきている気がします。最近は日本の死生観とか、この作品とヨーロッパの死生観の関係性とか、そういうものが増えていますね。日本だとテクノロジーに関する質問も多いのだけど、逆にそういうものは海外ではほとんどない。どちらかといえば、哲学的な問いです。

    YKBX:ぼくもそれは同感です。とにかく、なんとか理解したいという質問が多い気がします。ぼくの場合はビジュアルについてですが、冒頭から最後まで「このシーンには、どういう意図があるんだ?」と細かく聞かれることも少なくない。あとは、やっぱり渋谷さんと同じで、死生観についてですね。

    evala:ぼくは、初音ミクと他のボーカロイドは何が違うんだ、というようなことを聞かれたりもします。日本ではそういう質問はほとんどありませんが……。でも、それもテクニカルというよりは、確かに思想的な話かもしれない。

    小川:『THE END』が発表された直後の2012年から2013年にかけてのころは、日本では初音ミクという一見、死とは関係のなさそうな存在が死を問うことについて、おそらく、東日本大震災によって生じた喪失感から解釈されることが多かったと思うのですが、そのあたりはどうですか?

    渋谷:そのころぼくがよく言っていたのは、死というものは、パーソナルなものなんだということです。人間って、知っている人や家族が死ぬとすごく重く受け止めますよね。でも、知らない人が1000人死んだり、1万人死んだりしても、悲しいかもしれないけれど、知っている人間の死の受け止め方とはまったく違う。死というものは、そのくらい個人的なものなんだと思うんです。
     だから、ぼくは『THE END』を、たくさんの人の死に直面して、そこにある喪失感がどうだというような作品にはしたくなかった。同時に、死というものが不可避的で、原因もなく、理由もなく、時期もまったく定めずにやってくることを考えると、人間はたくさんの死と共存しているともいえるんじゃないかとも感じていました。極端なことをいうと、PCのハードディスクが飛んじゃったという“死”が、まったく知らない人の死より、その人にとっては重大だったりするわけです。こういうと変な意見に聞こえるかもしれないけれど、実際のところはそうだと思うんですよ、人間って。

    阿部:ヨーロッパも、IS(イスラム国)をはじめとしたテロだったりというものにも直面していて、現在は解決困難なものが各国にまん延しています。そういうなかで、散在する小さな死というものが、よりリアルになってきてしまったという側面もあるかもしれません。『THE END』が必要とされていて、かつ、いまなお共感を得られているのには、そういう背景がある気もしますね。

    ■『THE END』は“劇場破り”

    阿部:初演時の2012年から2013年にかけてはどんどん手を加えて、特に最後の部分を、初演時に比べると長く延ばしたりしていますよね。YCAMのときは、文字どおり劇的なエンディングを迎えるかたちでしたが、東京公演のバージョンからはその先が追加されていて、なかなか初音ミクが死なない。
     例えば『蝶々夫人』のように、最後に劇的な死があると、ストーリーとしてはきれいに落ちるんです。だけど、『THE END』は、渋谷さんがどんどん引き延ばしていて、いつまでもミクが死なない。というか、死んでいるのか、死んでいないのか、分からないような宙ぶらりんの状態がつづきますよね。

    渋谷:2012年にYCAMでやったときは、いちばん最後はホワイトノイズの嵐で、ごう音のなかで舞台がひっくり返って終わるというような、エクストリーム志向でした。それは当時のメディアアート周辺、テクノロジー周辺にはすごくフィットしていたと思うんです。でも、同時にそのままだと作品が残らないとも思っていました。
     というのも、実際の死というものは、もっとダラダラしていますよね。取り残された人たちの気持ちの持って行き場もダラダラしているし、死んでいると思いたくないとか、死とも生ともいえない、いろんな中間形態のようなものがあるのが実際の死です。
     そう思ったから、ごう音の後で、その直前の何十秒間かの曲を逆再生させた音楽をつくって、そこにボサノバのようなリズムが入ってきたりして、終わったのになんでまだ始まっちゃってるの?みたいな状態にしたんです。曲をつくりながら、同時に詞も書いたのだけど、そういうなかでぼくが考えたのは、誰かが死んだらできないことはなんなのかということだった。
     触れないとか、聞こえないとか、結構ないないづくしなんですよ。でも、これができない、あれができないといっているのも、死んでいるほうなのか、取り残されているほうなのかもはっきりしない。だから、そういうもの、つまりは死に対して人間ができないことを箇条書き的に並べて、それをリピートして終わるというかたちにしたんです。

    阿部:実をいうと、ぼくも最初は劇的な落ちがいいかなと思ったりもしたのですが、いま考えると、生きているのか、死んでいるのか、分からない状態で引き延ばされていくのも、すごく効いているなと感じています。
     これがいちばん印象的だったのは、オランダのアムステルダムなんですよ。ホランド・フェスティバルという大きなフェスティバルでの公演で、『THE END』の前後の演目が、ふつうのオペラだったんです。特に前の演目は、アルバン・ベルクの『ルル』だったんですよね。主人公のルルが切り裂きジャックに殺されるという、まさにヨーロッパ的な落ちで、それと『THE END』のミクはあまりに対照的でした。

    小川:阿部さんはメディアアートキュレーターとして、世界中のいろんなメディアアートをご覧になっているわけですが、『THE END』のような作品は、ヨーロッパでは出てこないのですか?

    阿部:ヨーロッパのオペラハウスでも、現代アートに区分される作品はたくさんつくられているんですよ。旧来的なオーケストラと合唱のような19世紀的なシステムを使って、現代のストーリーが上演されたりもしています。
     でも、そういうなかで『THE END』がこれだけヨーロッパの各地から呼ばれつづけているのは、ヨーロッパではプロデュースできないところがあるからだと思いますね。道場破りというか、劇場破りというか、きっとそういう存在なんです。裏を返せば、それは進化として認められているということだし、期待されているということだとも思います。

    渋谷:まったくかけ離れているわけではないとは思うけれど、絶対にヨーロッパからは出てこない発想ですからね。

    ■いまの東京は文化の発信が難しくなっている

    阿部:未来を考えるという点では、本当はこういう作品からエッセンスを抽出して、この先のクリエーションにどうつなげていくかが大切なんです。
     というのも、一般には劇場というと、チケットがあって、その番号通りにお客さんが前を向いて座って、ステージがあって、そこで作品が上演されるのを見て……というパターンが決まってしまっています。でも、『THE END』は、基本的な形式こそそれに沿ってはいるけれど、内容としては新しい視覚体験をひたすら追求している。そういう作品から、自由な表現をどうやってつくっていくか、それができる施設やシステムとはどういうものなのかといったことを、ぼくらは模索しなくてはいけない。

    渋谷:YCAMはともかく、そうやってアーティストが表現を追求できる場所が東京に一つもないのはおかしいと、ぼくは思いますね。「ハコモノ」という言葉がありますが、よくある一般的な劇場があちこちにできても、文化の発信にはならない。すでにできたものを見せるだけで、そこで新しいものをつくりだしているわけではないのだから。そういう意味で、東京は文化の発信が難しい場所になってきていると思う。

    阿部:クリエーターの質としては、東京は間違いなく世界最高レベルなのですが、真面目すぎるんでしょうかね。一種の狂気のようなものをそこに込められれば、すごいことになるとは思うのだけど……。

    渋谷:既存の公演をやるのは、いまある劇場でいいと思うんですよ。この先、大切なのは、アーティストとか、技術者が共同して何かをつくっているときの熱のようなものを、可視化することだとぼくは思う。それができると、東京はもっと変わるんじゃないですかね。
     ぼく自身はYCAMやヨーロッパで仕事をするようになって、劇場に対する信頼度がグッと上がったんです。『THE END』にしても、海外の劇場に呼ばれて行ってみると、現地の人がみんな本気で作品のために動こうとしてくれているし、ワクワクしながら見守ってくれたりもする。劇場でやるってことは机上の空論じゃなくて、リアルにこの場所で、この予算で、この集客で何をやるか、ということ。でも、いまの東京には、そういう場所がないんですよ。
     ホワイトキューブのラボを貸し出して、部屋のなかでアーティストが何かをつくっているのが外から見える。その場でリアルに生み出されている何かを見ることができる。最初はそれで十分だと思うんです。でも、そういうことをやらないで、借りてきたものを見せたりするだけの都市になると、なかなか成熟していかないんじゃないかと思います。

    小川:テクノロジーがアートをドライブする面と、アートがテクノロジーをドライブする面があると思うんです。このうちの後者が、特に日本では希薄だなとぼくは感じています。びっくりするようなこととか、笑っちゃうようなこととか、いろんなことが起きてくるような、真面目なことだけでできてない街になっていくように、フォーマットにとらわれず、いろいろ仕掛けていかなくちゃですね。

    (了)

    【登壇者プロフィール】
    ※前半後半共に共通

    渋谷慶一郎(音楽家)
    1973年生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。代表作にピアノ・ソロ・アルバム『ATAK015 for maria』『ATAK020 THE END』、パリ・シャトレ座でのソロ・コンサートを収録した『ATAK022 Live in Paris』など。また、映画『はじまりの記憶 杉本博司』、テレビドラマ『SPEC』など、数多くの映画やテレビドラマ、CMの音楽も担当。2012年には、初音ミク主演による映像とコンピュータ音響による人間不在のボーカロイドオペラ『THE END』をYCAMで発表。同作品は、その後、東京、パリ、アムステルダム、ハンブルク、オーフス、アブダビなどで公演が行われ、現在も世界中から上演要請を受けている。

    YKBX(ディレクター・アートディレクター・アーティスト)
    各種映像作品のディレクションや制作に加え、アートディレクション、イラストレーションやグラフィックデザインなど活動は多岐にわたる。トータルアートディレクションを目指した作品を数々リリースし、国内外の映画祭やイベントでも高く評価されている。初音ミク主演のボーカロイドオペラ『THE END』では、ルイ・ヴィトンと衣装コラボレーションを行い、全てのビジュアルディレクション・共同演出・映像ディレクターを務めた。
    2016年に安室奈美恵 “NHKリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック放送テーマソング” 『Hero』ミュージックビデオを手掛け、加えてアーティスト写真やジャケットなどの全てのビジュアルをディレクション。また、SMAPとのフェイスマッピングプロジェクトや安室奈美恵×GUCCI×VOGUEプロジェクト、攻殻機動隊ARISEのオープニング、現国立競技場クローズイベント映像演出や世界初OculusRiftを駆使したVRミュージックビデオをリリース、2014年にはソチオリンピック公式放送オープニングの演出などジャンルを超えた作品を数々生み出している。

    evala(サウンドアーティスト)
    先鋭的な電子音楽作品を発表し、国内外でインスタレーションやコンサートを行っている。立体音響インスタレーション『大きな耳をもったキツネ』や『hearing things #Metronome』では、暗闇のなかで音が生き物のように振る舞う現象を構築し、「耳で視る」という新たな聴覚体験を創出。サウンドアートの歴史を更新する重要作として、各界から高い評価を得ている。舞台や映画、公共空間においても、先端テクノロジーを用いた多彩な楽曲を提供したり、サウンドプロデュースを手掛けたりもしている。カンヌライオンズ国際クリエーティビティ・フェスティバルや文化庁メディア芸術祭での受賞歴多数。

    阿部一直 (メディアアートキュレーター)
    90年代のメディアアートをリードした「キヤノン・アートラボ」にて、数多くのアートプロジェクトをプロデュースしたのち、コンセプトや制度設計から関わった山口情報芸術センター(YCAM)でチーフキュレーター、アーティスティックディレクターとして主催事業全般をディレクション、監修。渋谷慶一郎らによるボーカロイドオペラ『THE END』のプロデュースも手掛けた。アートセンターのあるべき姿を意識しながら、人材育成や場づくりにも積極的に取り組んでいる。

    小川滋(株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター レガシー事業推進室)
    ゼロ年代から都市開発に関わるなかで、都市のブランディングと文化発信の関係に興味を深める。当初は一人の観客として『THE END』を見ていたが、縁あって2015年のオランダ公演から“中の人”に。 各国の招聘公演での観客やメディアの反応から、『THE END』のテクノロジーアートとしての魅力に確信を得つつ、いまに至る。

    2017年4月6日(木)19時〜21時
    「未来の劇場」をテーマにしたトークショーの抄録です

    パノラマトーク01 「脳内に立体が浮かぶ」新しい劇場体験とは(前編)
    さまざまなつくる人たちを招いて「トークイベント+α」を発信していく「パノラマトーク」。記念すべき第1回は、「未来の劇場」をテーマに、海外でも高い評価を得ているボーカロイドオペラ『THE END』の制作者である渋谷慶一郎さん、YKBXさん、evalaさん、それにメディアアートキュレーターの阿部一直さんをお迎えしてのトーク&『THE END』の特別上映が行われました。

    渋谷慶一郎(音楽家)
    YKBX(ディレクター・アートディレクター・アーティスト)
    evala(サウンドアーティスト)
    阿部一直(メディアアートキュレーター)
    モデレーター:小川滋(株式会社電通)

    企画プロデュース:金原亜紀
    編集協力:松永光弘
    写真撮影:船本諒

    ■音が身体を突き抜けていく体験

    小川:きょうは銀座でボーカロイドオペラ『THE END』の話ができるというので、ぼく自身、ちょっと興奮しています(笑)。『THE END』は、ご存じのとおり、音楽家の渋谷慶一郎さんが中心となって、サウンドアーティストのevalaさんやアーティストのYKBXさんらとコラボしてつくったメディアアート作品で、主演はボーカロイドの初音ミク。オーケストラはもちろん歌手も含めて、人間が出てこない世界初のオペラです。初演は、阿部さんがいらしたYCAM(山口情報芸術センター)でしたね。

    阿部:そうです。YCAMは劇場的なものも含めてさまざまなメディアアート作品をプロデュースしていますが、『THE END』は、その一つとして、2012年にぼくがプロデュースしました。

    小川:実はぼくもそのときのオーディエンスの一人だったので、初演のすごさも知っているのですが、さらにすごいなと思うのはその後です。翌年には、東京のBunkamuraとパリのシャトレ座で公演していますよね。その後もオファーが絶えなくて、初演から5年近くになるいまでも、世界のあちこちを巡回しています。

    渋谷:去年はアブダビでもやりましたね、UAEの。その前はデンマークのオーフスとドイツのハンブルク、それにオランダのアムステルダムです。

    阿部:ともするとすぐに過去のものになりがちなメディアアート作品が、5年たっても古くなるどころか、いまだに現在進行形なんですよね。リアルタイムの表現として、これだけ継続して世界中で受け入れられているのは、すごく珍しいことですよ。

    小川:始まりは、阿部さんから渋谷さんへのオファーでしたよね?

    渋谷:そうです。『THE END』に関しては、2012年に阿部さんから「何か新しい作品をつくりませんか」と声を掛けていただいたのが始まりでした。YCAMでは、その前にもサウンドインスタレーションをいくつかやってはいますが。

    阿部:最初は『filmachine』でしたね。あれもヨーロッパで評価が高かった。

    渋谷:ぼく自身も、画期的な仕事だったと思っています。いまでこそサラウンドやマルチチャンネルがはやりみたいになっていて、いろんなアーティストが使っているけれど、当時はまだ誰もやっていませんでしたから。あのころ、ぼくは複雑系の理論でつくったノイズを再生したいと思っていたのだけど、ふつうのスピーカーだと情報量が多すぎて、単なるノイズにしか聞こえなかったんです。でも、データ自体にはある種の規則性や周期性があるわけで、そういうものを伝えるのにどういう方法があるのかなと考えたときに、たどり着いたのがサラウンドだった。それをevalaくんと一緒にやったのが『filmachine』でした。

    阿部:少し補足すると、サラウンドというのは、立体音響のことです。アートの夢は、映像にしても、音にしても、立体なんですよ。それを音でトライしたという点で、『filmachine』は世界的なはしりだったんです。

    渋谷:例えば、新幹線が目の前を通り過ぎていくときには、すごい体感があるじゃないですか。その体験自体をぼくらは音でつくるんです。それどころか、新幹線だとできない、音が身体を突き抜けていくような超自然的な体験をつくったりもできます。

    evala:サラウンドというのは、いかに臨場感があるかということですからね。そういう意味では、新しい自然現象を人工的につくっているのに近いかもしれません。


    ■シャトレ座の空間を音が飛び回る

    渋谷:そういったことを『filmachine』でやりながら、自分たちのサウンドインスタレーションは、体験自体をデザインするという意味では現代のオペラだな、と思ったんです。ぼくのなかでは、そのあたりからオペラが引っかかっていましたね。もちろんワグナーがやっていたようなものではなく、まったく新しい体験としてのオペラですが……。実際に、そういうものをやりたいとは当時もevalaくんと話していて、いろんなことをやり始めてもいた。阿部さんからオファーをもらったのは、ちょうどそんなときだったんです。
     だから、何をやりたいのかと聞かれて、すぐにオペラと答えたのだけど、その時点でのアイデアは、自分のなかにあるオペラのイメージとevalaくんのサラウンドを組み合わせることでした。でも、そうこうするうちに、偶然、横部くん(YKBX)と知り合って……。彼はすごい、と率直に思いましたね。ぼくはアニメ好きでもないし、オタクでもないのだけど、作品の情報密度が自分と合うというか。すぐに一緒にやろうという話になって、そこからアニメーションの比重がどんどん増えていったんです。

    小川:初音ミクを使うことは、どうやって決まったのですか?

    渋谷:『THE END』のベースには、妻を亡くしたというぼく自身の個人的なテーマがあって、ストーリーのなかにも亡霊の声が歌うという設定が出てきます。それを誰が歌うのかと考えたときに、初音ミクがいいんじゃないかという話になった。そこからさらに話が進んで、出てくるのは初音ミクだけにしたほうが面白いんじゃないか、ということで落ち着きました。

    阿部:オペラは1600年ごろにヨーロッパでできたのですが、宗教的なものは別として、当時は人間の声で何かを表現する初めての試みでした。だから、人間が出てこないオペラというのは、それだけでもすごいことなんです。
     さらに、『THE END』は音響も映像も衝撃的です。例えば、先ほどアートの夢は立体だと話しましたが、ホログラムを使えば、立体映像はつくれます。ただ、いまの技術だと小さなものしかできない。せいぜい人間の等身大くらいのものです。そういう制約を超えて、2000人規模のホールでなんとか立体映像を見せようと、さまざまな工夫をしてもいますよね。

    YKBX:難解な脚本のなかで、ビジュアルでどこまで説得力を出せるかという部分では、かなり試行錯誤を重ねましたね。複数のスクリーンを使って、プロジェクションマッピングをしたりしながら、2次元の見え方ではなくて、複雑な見え方になるように設計して……。劇場によってステージの形も客席からの見え方も変わりますから、それに応じてセッティングを細かく調整したりもしています。

    阿部:加えて、もちろん音の面でも、人間の脳のなかに立体が浮かぶような挑戦をしています。YCAMでやったときも、相当な数のスピーカーを使いましたよね。

    evala:YCAMに限らず、劇場そのものを音響体にするイメージでつくり込んでいるので型通りにはスピーカーの数も決まらず、いつもびっくりするほど多くなりがちです。全てのウーファーを客席の下に仕込んだりもしました。

    小川:そうやってつくられたものを実際に体験してみると、まず序曲でやられます(笑)。弦の音がすごくナチュラルに聞こえてくるんだけど、それが絶対に現実ではあり得ないような空間の飛び回り方をしますから。

    evala:オーディエンスがびっくりしているのは、後ろから見ていても分かりますね。例えばシャトレ座は4階建てですが、その空間を音が上下に動き回るなんて、誰も体験したことがないわけですし。
     でも、オペラハウスや劇場って、そもそもステージの音がホール内にきれいに行きわたるような設計がなされているので、立体音響をやるには、本当はすごく不適切な場所なんです。だから、音の調整はかなり徹底してやらなくてはいけないのですが……。


    ■「耳で視る」体験づくり

    小川:最近はテクノロジーを駆使すれば、極端なことをいえば、家にいてもコンサート会場にいても同じ体験ができると思われがちだけど、本当はそうじゃないということですね。やっぱり、その場に行かないと体験できないことがある。

    渋谷:特に音はそういうものなんでしょうね。あとは必然性、かな。ときどき映像作品を大きく映しているだけの美術展があるのですが、ほとんどはあま面白くないんです。大きく見せても構わないのだけど、それ自体にどのくらいの意味や必然性があるのか。そこがきちんと成立している作品って、意外と少ないと思うんですよ。音も同じで、劇場や美術館でやるのなら、そこでしかできないことをやらないと意味がない。

    小川:2015年のオランダのアムステルダム以降、ぼくは海外公演のプロデューサーとして一緒にツアーをまわらせてもらっているわけですが、そばでevalaさんのお仕事を見ていると、すごくデジタルな部分の仕事と、現場で体験をつくっていくような手作業に近いような仕事との両方がありますよね。F1なんかでも、それぞれのサーキットに合わせて、マシンについてのベストなセッティングをつくっていきますが、さっきも少しおっしゃっていたけれど、あれに近いつくり込みを、その都度やるじゃないですか。

    evala:サラウンドの音響のチューニングは、オリジナルとしてあるものをただ生々しくリアルに再現するのとは違いますからね。ぼくらがつくっている体験は、いわば“空間のいたずら”で、ダイレクトに感覚に訴えかけてきます。それをぼくは「耳で視る」と言ったりしているのですが、つくるときにもやっぱり「耳で視る」んです。目に見えないものにフォーカスしながら、手間をかけて、その都度つくり込んでいくしかない。

    小川:そうやって、そこでしか体験できないものをつくっていくからこそ、あの作品には今日性があるのでしょうね。

    阿部:それはそうかもしれません。メディアアートの世界でいうと、60年代の後半くらいに、ジェームズ・タレルなんかも非常にパーソナルな体験づくりに取り組んではいたんです。でも、精度がずっと粗かった。それを最高に緻密な精度でやっているのがevalaさんです。そういう意味では王道なのだけど、結局、メディアアートの面白さというのは個人の体験にどうアクセスするかということなんですよ。『THE END』は、そこを非常に納得性の高いレベルで実現できているからこそ、いまなお古くなることなく、注目されつづけているのだと思いますね。

    (続く)

    【登壇者プロフィール】
    渋谷慶一郎(音楽家)
    1973年生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。代表作にピアノ・ソロ・アルバム『ATAK015 for maria』『ATAK020 THE END』、パリ・シャトレ座でのソロ・コンサートを収録した『ATAK022 Live in Paris』など。また、映画『はじまりの記憶 杉本博司』、テレビドラマ『SPEC』など、数多くの映画やテレビドラマ、CMの音楽も担当。2012年には、初音ミク主演による映像とコンピュータ音響による人間不在のボーカロイドオペラ『THE END』をYCAMで発表。同作品は、その後、東京、パリ、アムステルダム、ハンブルク、オーフス、アブダビなどで公演が行われ、現在も世界中から上演要請を受けている。

    YKBX(ディレクター・アートディレクター・アーティスト)
    各種映像作品のディレクションや制作に加え、アートディレクション、イラストレーションやグラフィックデザインなど活動は多岐にわたる。トータルアートディレクションを目指した作品を数々リリースし、国内外の映画祭やイベントでも高く評価されている。初音ミク主演のボーカロイドオペラ『THE END』では、ルイ・ヴィトンと衣装コラボレーションを行い、全てのビジュアルディレクション・共同演出・映像ディレクターを務めた。
    2016年に安室奈美恵 “NHKリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック放送テーマソング” 『Hero』ミュージックビデオを手掛け、加えてアーティスト写真やジャケットなどの全てのビジュアルをディレクション。また、SMAPとのフェイスマッピングプロジェクトや安室奈美恵×GUCCI×VOGUEプロジェクト、攻殻機動隊ARISEのオープニング、現国立競技場クローズイベント映像演出や世界初OculusRiftを駆使したVRミュージックビデオをリリース、2014年にはソチオリンピック公式放送オープニングの演出などジャンルを超えた作品を数々生み出している。

    evala(サウンドアーティスト)
    先鋭的な電子音楽作品を発表し、国内外でインスタレーションやコンサートを行っている。立体音響インスタレーション『大きな耳をもったキツネ』や『hearing things #Metronome』では、暗闇のなかで音が生き物のように振る舞う現象を構築し、「耳で視る」という新たな聴覚体験を創出。サウンドアートの歴史を更新する重要作として、各界から高い評価を得ている。舞台や映画、公共空間においても、先端テクノロジーを用いた多彩な楽曲を提供したり、サウンドプロデュースを手掛けたりもしている。カンヌライオンズ国際クリエーティビティ・フェスティバルや文化庁メディア芸術祭での受賞歴多数。

    阿部一直 (メディアアートキュレーター)
    90年代のメディアアートをリードした「キヤノン・アートラボ」にて、数多くのアートプロジェクトをプロデュースしたのち、コンセプトや制度設計から関わった山口情報芸術センター(YCAM)でチーフキュレーター、アーティスティックディレクターとして主催事業全般をディレクション、監修。渋谷慶一郎らによるボーカロイドオペラ『THE END』のプロデュースも手掛けた。アートセンターのあるべき姿を意識しながら、人材育成や場づくりにも積極的に取り組んでいる。

    小川滋(株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター レガシー事業推進室)
    ゼロ年代から都市開発に関わるなかで、都市のブランディングと文化発信の関係に興味を深める。当初は一人の観客として『THE END』を見ていたが、縁あって2015年のオランダ公演から“中の人”に。 各国の招聘公演での観客やメディアの反応から、『THE END』のテクノロジーアートとしての魅力に確信を得つつ、いまに至る。

    7月開催分は満席となりました

    【7月分満員御礼】フルーツビュッフェ7月分のご案内
    【6/1更新】7月分のご予約枠は全て満席になりました。

    7月分開催は、
    7月11日(火曜日)/7月27日(木曜日)となります!

    大変多くのお客様にご利用頂き好評のため、7月開催分より完全予約制のご案内とさせて頂きます。

    ご予約可能なお時間は
    ①10:00~ ②12:00~ の1日2回開催となります。(1回90分制)

    ご予約お待ちしております!

    (8月開催分は7月1日にお知らせ致します)


    老舗フルーツショップ「フタバフルーツ」監修による
    この時期に一番おいしいフルーツをはじめ、
    果物を余すことなく搾りきり、本来もつ味や栄養素をそのままジュースにする、
    ヒューロム社のスロージューサーを使ったフルーツジュースやスイーツ、
    DIYサラダバー、お食事などをお楽しみ頂けます。


    【料金】
    大人¥3,000/学生¥2,500(要学生証)/小人(3~12歳)¥1,000
    ※価格は税込

    ご予約は店頭受付もしくは、お電話にて受け付けております。
    詳しくはお店までお問い合わせください。
    TEL:03-5537-5506

    ~メロン&さくらんぼ~

    季節のフルーツが新しくなりました!
    旬のフルーツが新しくなりました!

    みずみずしいメロン&さくらんぼです!

    おいしさを活かしたスイーツをたくさんご用意しました!
    今しか食べられない旬の味を、ぜひお召し上がりください!




    さくらんぼ&ダークチェリーのパンケーキ ¥1,550
    メロンFLOWERパフェ ¥1.250
    3種チェリーのカスタードパンプディング ¥980
    フレッシュメロンパイ ¥950
    FRUTAS大福 ¥1,000

    ※全てドリンク付/税抜価格

    銀座の真ん中で、スペシャルフルーツビュッフェを開催いたします!

    フルーツビュッフェSTART!
    【4月21日追加】5月11日、30日の回のご予約枠は終了しました。6月の開催日につきましては後日発表します。
    ------------------------------------------------------
    2017年4月18日より、スペシャルフルーツビュッフェを開催いたします!

    老舗フルーツショップ「フタバフルーツ」監修による
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    DIYサラダバー、お食事などをお楽しみ頂けます。


    【料金】
    大人¥3,000/学生¥2,500(要学生証)/小人(3~12歳)¥1,000
    ※価格は税込

    詳しくはお店までお問い合わせください。
    TEL:03-5537-5506

    お食事メニューが新しくなりました。

    NEW MEAL PLATE START!!!
    春を前にして、旬のフルーツと共に召し上がれるミールプレートが新しくなりました。

    南国フルーツの酸味と甘みを加えた香り豊かなオリジナルスパイシーカレー。
    北海道産のこしあんとホイップクリームで旬のフルーツを挟んだフルーツサンド。

    たっぷりのフルーツとご一緒に、ぜひお召し上がり下さい!
    • スキレットで焼き上げた熱々もちもちの薄焼きパンケーキ。

      スキレットで焼き上げた熱々もちもちの薄焼きパンケーキ。

    • まるでブーケのようなアイスクリームとのマリアージュパフェ。

      まるでブーケのようなアイスクリームとのマリアージュパフェ。

    旬のフレッシュなフルーツをお食事でもデザートでもたっぷりとお楽しみください♪

    旬のフルーツを存分に楽しめる「RAMO FRUTAS CAFE」
    ▼9月24日(土)オープン!

    「GINZA PLACE」3Fフロア「common ginza」にある「RAMO FRUTAS CAFE」は、スペイン語で「果物のブーケ」を意味する店名の通り、色とりどりのフレッシュフルーツを気軽に楽しめるカフェです。

    オススメは、フルーツをたっぷり使った季節ごとに変わるパフェとパンケーキ。約70年続く老舗フルーツショップ「フタバフルーツ」さんが厳選した旬の「ぶどう」と「りんご」を使ったスペシャルデザートをご用意しています!

    この他にも、カフェをご利用のお客様には話題のデトックスウォーターを自由にお召し上がりいただけるFRUIT WATER BARも是非お楽しみください♪