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銀座茶話会 #02「人生は出会いで楽しくなる。(前編)」
  • 軍地さんが銀座でお店をやるとしたら…「IT越後屋」

MEGUMIさん・天野譲滋さんと多彩なゲストスピーカー「ギンザ ライフスタイリスト」によるトークショー「銀座茶話会 #2」の抄録です。

タレント・女優のMEGUMIさんとデザインビジネスプロデューサーの天野譲滋さんが、ゲストスピーカーとライフスタイルや銀座にまつわるトークを繰り広げる銀座茶話会。第2回目のゲストは、編集者、ファッション監修、コメンテーターなど、多彩な才能で活躍されている軍地 彩弓さん。銀座での思い出、人生のターニングポイントなど、今回も他では聞けないトークで会場は盛り上がりました。

日時:2018年9月4日(火)19時〜
場所:GINZA PLACE内「common ginza」

軍地 彩弓(株式会社gumi-gumi CEO、編集者)
MEGUMI(タレント・女優)
天野 譲滋(デザインビジネスプロデューサー)

企画プロデュース:電通ライブ/株式会社ジョージクリエイティブカンパニー
編集:安永 亮一
写真撮影:照井 賢久

■人生のきっかけとなった場所

天野:
早速ですけど、軍地さん。銀座にはどんな思い出が?

軍地:
東京デビューは大学生からです。それまで茨城にいて。それで中央大学ってとこに合格して、一番はじめにバイトに来たのが銀座ですね。しかも、7丁目、8丁目なんです。皆さん銀座界隈は知ってらっしゃると思うんですが、7丁目、8丁目っていうのは、クラブがある夜の街。その場所で私がバイトに行っていたのは、リクルートという会社です。

MEGUMI:
なるほど。バイトですか、それは?

軍地:
当時、フリーペーパーがあって。江副さんの時代ですね。30年ぐらい前の話です。リクルートが一番勢いを持ちはじめ、そしてバブルの日本がふつふつと盛り上がる時代。皆さんがまだ生まれてないかもしれないですけど。笑。

MEGUMI:
生まれている方も、いらっしゃると思います。

軍地:
だから、80年代の銀座を知っているんです。

MEGUMI:
今と全然違いますよね、きっとね。

天野:
7丁目と8丁目のリクルートビルって一緒で。その時もズドーンみたいなビルだったので。ただ、この辺が一番変わりましたね、4丁目から6丁目。

軍地:
まだ、古き良き銀座ありって時代でした。そしてちょっとバブルの臭いもあり、私の周りは、おしろいの匂いもありながら、ビジネスも勢いづいていた。

MEGUMI:
えー、おしろいの匂い?すごい。お姉さんたちの痕跡が。

軍地:
そうなんです。リクルートの中で何をやっていたかというと、フリーペーパーをつくっていて。それが、私の今の原点になっています。雑誌の編集をするという仕事の、一番の取っ掛かりをもらった場所です。

天野:
たまたまそのバイトだったんですか。編集みたいな。

軍地:まずフリーペーパーがあったんです、『センサー』っていう。そこで、バイトの募集をしていて。企業タイアップだけで1冊できているフリーペーパーで。当時はすごく画期的だったんですけど、早すぎたんですね。そこで、マーケティングをしながら、そのタイアップしていただいた企業の記事稿を学生がつくっていたんです。例えば車のローンチイベントとかを、学生が企画する。学生起業の走りでした。

天野:
なるほど。じゃあ、もう学生時代はどっぷり。

軍地:
銀座どっぷりでしたね。でも、毎日ではなくて。講談社の仕事が、2年生の後半からはじまって。本当にわらしべ長者みたいなんですけど、リクルートの人から講談社を紹介されて、「Checkmate」という雑誌でフリーライターという仕事を始めました。卒業してからフリーで『ViVi』に入って。『ViVi』をやっていたら、『GLAMOROUS』つくらないかと言われて。『GLAMOROUS』つくったら、今度は『VOUGE』を作っているコンデナストという会社に声をかけらたんです。

■もっと自由に生きてほしい。

天野:
MEGUMIさんは『ViVi』『GLAMOROUS』どっちを?

MEGUMI:
もちろん、どっちもしっかり見届けるというか。

軍地:
うれしい。女の人も結婚だけを目標にするのではなくて、働いている個人として認めて欲しくて。結婚しなくてもいいし、ゲイの人と一緒に同居してもいいし。個人のライフスタイルに、人から何かを言われる必要ないじゃんと思ってつくったが『GLAMOROUS』なんです。

MEGUMI:
すごい、だって今思えば、着飾っている服一本ですよね。どこで着るのっていうぐらい。なんか本当にステージ衣装って感じで。でも、あれも時代にはやっぱりフィットしていたというか。

軍地:
まあ、平成バブルもあったんですけど。ロベルト・カヴァリの日本未入荷の200万円以上もするのドレスを、わざわざミラノから運んだこともあって(笑)。でも、世界に行けば豪華な世界も当たり前。セレブのような生活をしている女性がいて、すごくキラキラしていて。日本だけ、コンサバという名の呪縛というか、お母さんとして指さされるような服じゃダメとか (笑)。

MEGUMI:
本当にそれ、分かる!そうだと思います、はい。

軍地:
海外をいろいろ仕事で回って、なんで日本だけこんなに女性が閉塞的に生きているのかなって思っていました。そんな時に『ViVi』のモデルのある方に「軍地さん、私たち30歳越えても、40歳越えても、ジーンズ着て、Tシャツ着て、カジュアルで生きていきたいのに」って言われて。「じゃ、そういうのつくろうよ」って、できたのが『GLAMOROUS』。

天野:
ああ、そこからなんですか?

軍地:
そうなんです。きっかけを与えてくれる人がいて、私はそこで、やらなきゃって思ってつくっていて。私だけの思いではなく、その時の読者に背中を押されました。女性のライフスタイルが変わっているのに、雑誌だけがなんかこう……。

MEGUMI:
そうですね、なんか保守的にというか。

軍地:
そうです、保守的に。とにかく学校で浮かない服、ママ友で浮かない服みたいなことを提案するより、好きな服着ていいじゃんとか。ドレス着ていいじゃんとか。でもたまにやりすぎましたけどね、笑。

MEGUMI:
そうなんです?

軍地:
当時は、すごい企画もあって。OLが悪女って書いて「わる」と読むんですけど(笑)。

MEGUMI:
女と書いて「ひと」みたいなね(笑)。

軍地:
そう。悪女OLっていうテーマで、モデルさんにおじさんを踏みつけてもらうというのを撮ったら、ブランドから怒られたんですよ。うちの服で、おじさんを踏まないでくださいって。でもそのくらいやって、エポックメイクなことをしたかったのは事実ですね。

MEGUMI:
分かります。

軍地:
女性が自由に生きられる雑誌を作りたかった。やっぱり銀座で見ていた光景には影響されていた部分はあると思います。女の人が綺麗にお化粧をしてドレスアップしている。水商売ではあるけど、ちょっと憧れましたもん、その綺麗な服を見て。

MEGUMI:
「女っぷりがいい」といいますかね。やっぱりせっかく女性なんだから、着飾ったり、楽しんだりしている姿を刻んでいたんでしょうね、たくさんね。

軍地:
そう、それ。自分はそういうふうになれなくて。だから、なれないという憧れを、雑誌にぶつけていたのかもしれないです(笑)。

■銀座だからこその上質を楽しむ。

MEGUMI:
なるほど、なんかおもしろいですね。軍地さんの知らないところを聞けて。

天野:
やっぱり銀座は、色々な影響を与えてくれるんですね。

軍地:
銀座ってきっかけがないと来なかったりしますよね。デパートに来るとか。でも、その当時の銀座を知れたっていうことは大きいですね。あと、歌舞伎が好きなんで、歌舞伎座に行く途中で老舗にご飯を食べに行ったりとかもしていました。竹葉亭に行ってうな重を食べたり。あそこの鯛茶漬けが、めっちゃおいしいんです。和光の裏の煉瓦亭に行ったりとか。

天野:
なんかいまだに、店、残っていますもんね。

軍地:
残っていますね。でも、だんだん減ってきちゃうんですね。当時、8丁目の銀座ウエストが近くて。もうウエストの世界観がすごく好きで。

MEGUMI:
分かります。モスグリーンの。

軍地:
モスグリーンの椅子に、白いレースのテーブルクロス。田舎にない東京の粋。江戸の粋みたいなのは、田舎にはなくて。うちの田舎は水戸黄門と納豆しかない(笑)。品のいい上流というのを、銀座ではじめて知りました。一方で、取材で渋谷とか原宿に行っていたので、そのふたつがいまだに自分の軸になっているんだなというのを実感します。時々銀座へ戻ってきて、上質なものを感じる喜びがここにはあるんです。

MEGUMI:
それですね、上質ですよね。

軍地:
資生堂パーラーでパフェを食べたり、和光をのぞいたり。私なりの銀座がいまだに自分の一つのチャンネルとしてあります。

天野:
後は、ブランドが銀座に集まっているっていうのもね。特に軍地さんは、ブランドのパーティーとかに参加することが多いですよね。

軍地:
そうですね。お仕事をするようになって、ファッションが自分のベースになってからは、銀座のオープニングパーティーへ行く機会も増えました。特に去年はGINZA SIXがすごく華々しかったですね。ちょっと寂しいのは、日本のブランドが少ないということです。やはりインターナショナルブランドが中心ですよね。パリでいうモンテーニュ通りだったり、フォーブル・サン・トノーレ通りだったり、ニューヨークの五番街だったりとか、人が高揚する場所って、ありますよね。日本でいえば、やっぱり銀座。今、渋谷に行っても原宿に行っても、高揚はしないですね。銀座、やっぱりこの本通りを歩いているとワクワクします。

MEGUMI:
確かにね。これ前回も言ったんですけど、電信柱だとか電線がないから、抜けているというか。本当に気持ちいいですよね。それが、あがるポイントでもあるのかなと思いますけども。

軍地:
若い子にとっては、やっぱり原宿は確かに面白いし、パンケーキもある。トレンドはもちろんあるんだけど、やっぱり浅いんです。原宿も昔のものがどんどんなくなっていって。原宿アパートとか、同潤会アパート、昔からあったいいものがなくなってしまう。やはり、新しい海外から来たものに変わっていっってしまって。だから、銀座は日本の宝だなと思います。日本の上質さ、上品さ、ハイソサエティという空気は、やっぱり守り抜いて欲しいなって思います。

MEGUMI:
人もやっぱり素敵な女性とか、何か教えてくれるようなお店とか、何か学べる場所っていうのがね。一緒にご飯を食べているだけで、すごく勉強になったなって思える時間は、やっぱり銀座ですね。

軍地:
そうですよね。最近この辺だと、ミュージックバーとか、MEGUMIちゃんも行く?

MEGUMI:
行きます、行きます。

軍地:
ちょうどコージーコーナーの裏ぐらいですけど、6丁目かな。並木通り辺りに結構いいお店が出てきているので、その辺で飲んで。おでん屋さんとかあの近辺でご飯します。そうすると、そこでまた銀座界隈の人の会話が聞こえてくるんですよ。銀座で働いていらっしゃる方とか。それも、美意識がすごく高くて。

MEGUMI:
粋ですよね。

■自分の意識を香りで変える。

天野:
後、軍地さん、何かこだわっているものって……?なんでしょう、ちょっと写真を1枚いただいたんですけど。これなんでしょうか。

軍地:
これ、現物を持ってきたんですけど。オーラソーマのボトルなんですよ。

天野:
オーラソーマって何ですか。

軍地:
オーラソーマ診断って、たくさんある2色のボトルの中から、自分のインスピレーションでボトルを選ぶんです。そこから前世とか過去とか見えたりして。これ自体は香料のボトルなんですけど。

天野:
香りから?これは、軍地さんが選んだんですか?

軍地:
その時になんとなく自分のインスピレーションで。ボトルが何種類もあって、そこで手に取ったのがこのポマンダーゴールド。たまたまふっと手にとって、あ、この香りいいなと思って。で、後で調べたら、過去の知識を自分の知のインスピレーションとして助けてくれるっていう意味があるボトルでした。

天野:
そうだったんですね。いろいろ香りによって。

MEGUMI:
これ、どこにつけるんですか。

軍地:
こんな風に。

MEGUMI:
あ、手にバッテンするんだ。

軍地:
こうすると、自分の中の意識を香りでチェンジするというか。今、香りの研究がすごく進んでいますよね。ソニーさんが香りのディフューザーをつくっていたりとか。集中したい時とか、逆にリラックスしたい時に、香りで自分の周りの空気を変えると脳が刺激されますよね。ちょっとスピリチュアルな意味も含めて香りで自分の空気感を変えたりします。

MEGUMI:
やっぱり違いますか。やってみて。

軍地:
うん。リフレッシュできますよね、柑橘系なので。

MEGUMI:
後は、少しローズっぽいですかね。

天野:
他のやつは、もっとダウントゥアース?なんていうのかな。

MEGUMI:
地に足をつけるみたいな。

軍地:
そう、時々ちょっとフワフワしちゃうので、地に足をつけるためにとか(笑)。

MEGUMI:
忙しすぎちゃうとね。

軍地:
「原稿を書けないぞ、そんなことをやっていると」とか、笑。香りで意識を変えたりとか。

MEGUMI:
でもね、皆さん、東京にいると忙しいじゃないですか。おしゃれしたり、仕事したりとか。なぜか東京にいたら、やることがばぁーって多くなっちゃうから。そういう時のこの切り替えは、すごく良さそうですね。

天野:
MEGUMIさんは、何かリフレッシュとかは?

MEGUMI:
アロマオイル、10本ぐらい持ち歩いている。

天野:
本当?やっぱり香りってすごいんですね。

MEGUMI:
なんか嗅ぎまくっていますね。日によって好きな匂いって違うので。今日はこれだなと思うと、塗ったり、頭マッサージしたりすると、すごく切り替えられるし。昔は茶道とか華道とかあるように、香道って香りの道っていうのがあるぐらい、香りっていうのはすごく人々に影響するし、高貴なものだと思います。だから、取り入れたほうが、生活が豊かになるなぁって思って、5年ぐらい前からやっていて。本当に気分があがる。役によって香りを変えたりとかすると、いいですね。1カ月同じ役をやる時とかに。なんかね、その役の人、この女、こういう匂いだからって。いいんですよ、香りから入るのは。

軍地:
MEGUMIちゃん、舞台行かせてもらったら、すごいですもんね、エネルギーが。

MEGUMI:
そうなんです。すごく好きなの、芝居が、本当に。

軍地:
でも、香りって結構みんなこだわっていますよね。身を守るってことも含めて、香りは大事にしています。

■あのワクワク感を、もう一度。

天野:
後ね、前回の敬太さんにもお伺いしたんですけど、軍地さんが本業のお仕事以外にお店を開くなら銀座で何?みたいな。ちなみに、MEGUMIさんはスナックです。じゃあMEGUMIさん、軍地さんはなんだと思います?

MEGUMI:
本屋じゃないですか?かわいい本屋さん。お酒もあって、本、漫画とかグッズのチョイスをする本屋。セレクトブックみたいな。

天野:
たぶんね、パッと見ても分かんないと思うのね。まず絵で見てもらって、解説しないと。これまた、イラストレーターのモエコちゃんに描いてもらったんですけど。軍地さん、ちょっと解説を(笑)。

軍地:
のれんなんですね、ネーミングで言うと。

MEGUMI:
なんか、銭湯風。奥にお風呂もあるけれど、服も買えるよ、みたいな、的な。

軍地:
近い感じなんですけど。答えは、越後屋。IT越後屋というかAI越後屋って、ずっとやりたいと思っているんですね。誰かやらせてくんないかなと思っているんだけど……。

天野:
これ、どういうシステムというか、これがお客さん?

軍地:
それは、スタッフです。要は、御用聞きからはじまっているんですね、デパートって。まず、そのお店に行って、例えば「今度娘の結婚式をやるんだけど、ちょっと黒留袖のいいのない?」とか、「娘の結婚式の振袖をしつらえたいんだ」とか、「今度こういったお菓子を持っていきたいんだ」とかっていう注文を伺って、そこから最新のコレクションの生地は、こちらにございますって。

天野:
反物が出てきてって感じですね。じゃ、それを今に置き換えたいと。なるほど。

軍地:
デパートって、子どもの頃から大好きで。三越がすごく自分の東京の原体験なんですね。茨城から2時間かかるので、たまにしか来れなくって。たまに来た時に、デパートの食堂のイチゴゼリーが、自分にとって憧れの東京の象徴だったんです。その時は、買い物をするならやっぱりデパートって思っていたし、今も好きなんです。だから、今ちょっと百貨店さんに元気がないっていうのは……。いろんな買い方ができるようになったじゃないですか。最近、流通系の話を、いろんな所で講演をすることがあって。必ず言われるのが、アパレルの危機とか、小売りの危機とかで……。

MEGUMI:
ネガティブなことが多いですよね。

軍地:
ネガティブに言われるんですけど、だったら、原点のこういうのがあったら、行きたくないですか?

MEGUMI:
行きたーい。まず、希望を最初にお伝えして、そこから、こういういいのがあるよっていうワクワク感は、すごくありますよね。

天野:
奥の引き出しから少しずつ出してね。

軍地:
そうなんです。こういう、買い物がワクワクする場所を改めてつくりたくて。ネットにワクワクはやっぱり難しいですしね。ネットで調べて、一番安いのをメルカリでって。それは、それでいいんだけど。お買い物に行って、ワクワクして買って、家で服を見せて、こんなん買ってきた、くるくるーみたいな。私が感じた、イチゴゼリーのワクワク気分みたいな(笑)。

MEGUMI:
んー、イチゴゼリー。

軍地:
絶対に最後は三越の上でイチゴゼリー食べて、お母さんと三越のバックを持って帰るという楽しみが、今必要だなって。

MEGUMI:
逆に今の時代にフィットしているっていうか。今は、時を買うじゃないけど、体感をしたいという気持ちがすごく多いから。本当に今の時代にすぐできそうな。

軍地:
そういうワクワクする気持ちだったり、ファッションの一番の神髄みたいなものを伝えていけるように、自分はやってきたんだと思うし。こういうお店ができたら、皆が「やっぱりファッションいいね!」って言ってくれるかなと思って。やっぱり原点が大切、それを伝えたいんです。

(後篇に続く)