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銀座茶話会 #02「人生は出会いで楽しくなる。(後編)」
MEGUMIさん・天野譲滋さんと多彩なゲストスピーカー「ギンザ ライフスタイリスト」によるトークショー「銀座茶話会 #2」の抄録・後編です。

■見て、気づいて、研ぎ澄ます。

女性A:
京都から来ました。今日は台風でしたが、私がここに来ることができたのも、家を出たタイミングが良くて、新幹線が止まらなかったからで。時間の勘、タイミングとかがあったかなと思うんですけども。軍地さんも、MEGUMIさんも、第六感がおそらく素晴らしく優れていらっしゃるのかなぁと、お話を聞いて思っていて。大人になった今は、オーラソーマなどでリセットをして、勘を取り戻すということをされているかと思うんですが。その前、大人になる以前に、「幼少期のあの習慣が、今の勘に結びついている」みたいなことがあれば、教えていただきたいなと思うんですが。

天野:
軍地さん、じゃあ。

軍地:
記憶力が、すごく低くて(笑)。どんな子だったか、よく覚えてないんです。えっと、そうですね。よく通信簿に、気が散る子って書かれていましたね。だから、思ったことを全部やっていっちゃう感じだったと思います。直感でやりたいと思ったこと、突然料理をやったりとか、突然どこかに出かけたり、そんな子だったかな。

MEGUMI:
とにかく、なんかこう好奇心が全て乗っかっていたってことですよね。

軍地:
そうです。好奇心に対して、親が止めなかったんですよね。何かをやりたいとか、あっち行ったり、こっち行ったりって、「駄目」とか「やるな」とかはなくて。そういう意味では、親に感謝しています。その時にやりたいこと、本を読んだら人の話が聞こえない、ご飯も食べるのを忘れちゃったとか、急に落語をはじめたりとか。そういうことが、勘と直結しているか分からないんですけど。ただ、やっぱり子どもの時から、自分は勘が強い子だなと思っていました。なんか、当たるというか。あっ、こうなるなとか。これ、お母さんに怒られるみたいなのとか(笑)。勘が強かったのかな?実は、大人になってからは、それがファッションのトレンドを提案するときの基本だったりして。

MEGUMI:
本当にそれが、もうドンピシャで当たるんですよね、毎回。

天野:
あれが勘なんですか、ほぼ。

軍地:
勘っていうとあれですけど。すごく街を見ていたんです。街を見ていろんな人を見ることで、この人たち、次に何を着たいのかなと。赤が着たいのかなとか、ちょっとカジュアルなの着たいのかな、スウェットかな、とかって。それで、自分の中で紐付けていくんです。そういう自分で想像したことが、現実としてあり得るか、ないかなと、すごく考えるんです。自分が思い付いたことは”勘“なんだけど、その直感に対して一生懸命プルーフ、確証を取るっていうか、「こうだからこうだよね」って、そこを意味付けしてって感じですね。最初に勘があるんだけど、勘だけでいくと、ただの変な人になっちゃうので。

天野:
やっぱり、日頃からいろんなものを見ているんですね。

軍地:
たくさんのものを見て、人と話し、読んで。だから話題のドラマも見たり、映画も見たり。人が何を求めているのかなぁみたいな。そういう大勢的なイメージは持っていて。で、次はこういう服がきっとはやるなって、書き出すんです。

MEGUMI:
やっぱりねえ、書き出し。

軍地:
で、それを書き出して、当時は雑誌の企画書を毎回100本書け、みたいなことを言われるんですよ。その時に、単純にただの直感だけじゃなくて、もちろん裏付けがなくては企画は通らない。勘と実証を合わせて提案して行くと、間違わなくなりました。

MEGUMI:
へえ、間違わなくなるんだ。すごい。

軍地:
自分で言うのは主観的だけど、『ViVi』の時、ほぼ外さなかったです。いくらメーカーが今年のトレンドは黒って言っても、街を歩いている人は、黒を着たい気分じゃなかったりするんです。

天野:
ああ、気分がね。そうですよね。

軍地:
自分が見て信じたことを、直感と呼ぶのでしょうか。もっと言えば、今は、直感の時代だと思います。今までは、すごくマーケティングが通用していたかもだけど、今はあまりにもいろんな変数が多すぎて。だから直感が大切だと。

MEGUMI:
そうですね。本当にそう。

軍地:
だから勘を働かせることは大事です。彼女のように今日早く行かなきゃと思ったことも勘ですし。皆さんが今日来ているってこともそうなのかなって。

MEGUMI:
そう。どこもガラガラなのに、こうやって来て、人の話を聞こうと思ってくださったその直感が、まず研ぎ澄まされているという感じがしますよね。

軍地:
だから、特別なものじゃないですよね。そのパッと思い付いたことを信じるか信じないか。MEGUMIちゃんは?

MEGUMI:
私は、ある大好きな作家の方がいて。その方と会った時に、同じ質問をしたことがあって。で、おっしゃっていたのが、なんか小さい偶然ってあるじゃないですか。例えば、銀座に来たいと思っている、パッと見たら銀座という看板があったとか。カレーせんべいの話をしていたら、その人がカレーせんべいを持っていたとかね。そういう、小さいよく分からないことってあるじゃないですか。それを「カレーせんべいを持っている」とか、「銀座って書いている」とかって、いちいち思うんですって。いちいち思って感動すると、研ぎ澄まされていくんです。よく考えたら、カレーせんべい食べたいと思っていて、目の前の人が持っているとか、銀座って言っていた時に目の前に看板があったりって、すごいことじゃないですか。それにいちいち「わっ、うわうわ」って言っていると、世の中には、日々、奇跡があって。それをやることによって、自分の直感とか、いろんなものを引き寄せたりとか、そういうものがすごく研ぎ澄まされていくっていうふうにおっしゃってて。

天野:
それ、分かりますね。よく、軍地さんが言うんですよ、ばったり病って。

軍地:
ばったり病ね。ばったり会う人は、必要な人って思っていて。逆に会わない人は、会わなくていい人っていうのが。例えば、譲滋さんにばったり会って、譲滋さん、なんかやろうよっていうことが起きたり。

天野:
電話しようと思ってたんですよ、みたいな。社交辞令じゃなくてね。

軍地:
前に、ミラノの友だちのことを考えていたら、その友だちが目の前に。千駄ヶ谷小学校を歩いてきたから、「う、わっ」みたいな(笑)。これはなんかやんなきゃいけないねって。

MEGUMI:
そう、それを感じていく。感じてちゃんと言葉に。私、カレーせんべいを食べたかったんだ、みたいな。そういうことがね、大事みたい。それでどんどん寄ってくるというか、研ぎ澄まされていくっていうのはあると思います。流しちゃうか、そこで引っ掛かるかで、小さい差だと思うんですけど。そこで何かハッピーが出てきたりとか。急に思い立って、なんかそこのトンカツ屋に行ったら、すごくおいしかったとか。

軍地:
嫌とか、ここ行きたくないなとか、この人会いたくないなっていうのも、意外と従ったほうがいいかもしれない。この人と飲みたいから行くとか、この場所にご飯食べたいから行くっていうことが、たぶん正解な気がしますよね。

女性A:
ありがとうございます。

■すべては、今につながっている。

女性B:
おふたりにお聞きしたいんですけれども。人生でいろんなターニングポイントがあったと思いますが、これが一番転機だったなとか、好機だったなっていうポイントって、いつだと思いますか。

軍地:
私、大きく3つですね。まず、大学受験の時に、父親がその受験の数日前に亡くなって。本当にきつい時があって。でも、受験は諦めたくなかった。東京に出てきて、泣き泣き泊まっていたホテルの周辺をうろうろしていたら、目の前が講談社だったんですよ。そこに行こうとも思っていなかったし、当時Googleマップもないから「あ、ここなんだ」って。いい出版社だって、ずっと父から教えられていた講談社が目の前に。でも、ここで働けるわけないなぁって思っていたら、2年後に講談社にフリーランスとしていました。それが、今自分のキャリアと一番基礎になった。出会いなのか、インスピレーションなのか、ばったりなのか、それがひとつめです。
ふたつめは、ずっと講談社でフリーランスをやっていた時に、コンデナストという『VOGUE』を出している会社から新雑誌を出すのでうち来ませんか、と言われて。ヘッドハントみたいな誘いが来ました。でも私、講談社が好きすぎて、もうビルから人から書庫から、とにかく全て大好きすぎて、講談社を出るなんて……って思っていたので、断り続けていたんです。相手は外資系だし、英語で会議なんて無理と思って、断っていたんです。そうしたら3月に占い師がバラバラに結果3人来て。「あなた、講談社よりグローバルな会社に行かなきゃ駄目です」って、その3人の占い師に言われて。そりゃ、考えますよね。でも、一度断っているから向こうも諦めていると思うんですよねぇって言ったら「明日、電話しろ」と。「絶対、あなたの後にアプライしていた人が断ってあなたを必要としているはずだから電話しろ」と言われて、電話したらその通りだった。なんで分かったんですかって感じですよね。占いが当たっちゃったら、もう行くしかないと思いました。

天野:
3人に言われたら、それはそうするしかないですね(笑)。

軍地:3つめは、たぶん自分の会社をつくった時ですね。

天野:
gumi-gumiですね。

軍地:
そう、gumi-gumiをつくって、「グッディ」にでるようになったり、外に出るようになって。編集者って裏にいるものだと思っていたんですよ。黒子みたいに。だからいろんな現場にも、黒を着て行ったりとか。モデルさんを綺麗にして、綺麗な紙面をつくって、カメラマンに撮影してもらって、自分は黒子って思っていたのが、急にぽんと前に出されて。それはんていうか、運命というか。

MEGUMI:
すごい、引き寄せ方ですよね。

天野:
MEGUMIさんは?

MEGUMI:
私ですか。私もね、でも、3つかな。最初はデビューですよね。事務所の社長に会ったっていう。それこそ、バイト雑誌で見つけたレストランのオーナーが知り合いだったんですよ、事務所の社長と。私、歌手になりたいんですって、言ったら「じゃあ、知っているから紹介するよ」みたいな感じで。で、社長に会ったんです。そこからもう、今日までずっと働いていますから。それは、すごく大きいですね。
ふたつめは、私、実はめちゃくちゃ大きい交通事故に遭ったことがあるんですね。恥骨にひびが入って、もうめちゃめちゃで。エルグランドっていう車で移動していたんですけど、ぐしゃーってなるぐらい。

天野:
え、タレントの時?デビューしてから?

MEGUMI:
そうでよす、24の時。それで入院した時に見ていたテレビに出ていたのが、今の主人なんですよ。かっこいいなぁみたいな。で、たまたま友だちがスタイリストをやっていて……みたいなこともあったり、その後も偶然が続いたりなんかして。

軍地:
すごい…。そういえば、そんなこと言ってたね。

MEGUMI:
3つめは、今年ですね。実は、これはすごく大きくて。絶対やりたかった仕事が、10年も会社でずうっと頑張ろうねって思っていたことが、今年叶いまして。来年、公開するんですけど、映画なんですよね。それもチームMEGUMIが、10年ぐらい思っていたことが叶ったので。来年からなんか変わる気がしています。それは、すごく楽しみなんですよ。だから3つめです。今、確実にあったのはふたつかな。その時って、そういうことは分かんないんですよね。

天野:
振り返れば。あれがそうだったなって。

軍地:
そうですね。私の場合は、リクルートに来たこともそうかもしれないですし。全部ですね。いいことばっかりじゃないし。もう泣きそうになって、寝る間もなく働いていたから。だけど、ちゃんとつながっていますよね。嫌なことも、いいことも、悪いことも、全部無駄っていうことは人生にないんだって。

女性B:
ありがとうございました。

天野:
あれよあれよという間にもう。MEGUMIさん、今回もおもしろかったですね。いつもの会談に近いような感じで(笑)。

MEGUMI:
意外な一面が聞けて、いや、もう楽しかったです。

軍地:
お恥ずかしい話もいろいろありながら。ありがとうございました。


天野:
どうもありがとうございました。

MEGUMI:
ありがとうございました〜。


【登壇者プロフィール】
■ゲスト
軍地 彩弓<株式会社gumi-gumi CEO、編集者>
大学卒業後、フリーライターとして講談社の『ViVi』編集部で活動。その後、雑誌『GLAMOROUS』の立ち上げに参加した。2008年には、現コンデナスト・ジャパンに入社し、『VOGUE GIRL』の創刊と運営に携わった。その後、2014年に自身の会社である『株式会社gumi-gumi』を設立。現在は、雑誌『Numéro TOKYO』のエディトリアルアドバイザーから、ファッション監修、情報番組「直撃LIVEグッディ!」のコメンテーターまで、幅広く活躍している。

■ファシリテーター
MEGUMI<タレント・女優>
2001年デビュー。今年で17年目を迎える。持ち前のキャラクターを活かしテレビや雑誌などで活躍。近年では、NHK大河ドラマや映画、舞台への出演により活躍の場を広げている。特に思い切り良い個性的な役を演じることに好評を得る。

天野 譲滋<デザインビジネスプロデューサー>
話題性のショッププロデュースやメーカーと売れる商品開発、リアルな企業戦略プロモーションなど多数手がける。常に話題のスポットを生み出すデザインビジネスプロデューサーとして多様なライフスタイルを提案している。